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こどもの舌下免疫療法

舌下免疫療法とは?

舌下免疫療法とは? 舌下免疫療法とは、アレルギー体質そのものを改善させることを目的とした治療法で、近年普及しつつあります。具体的には、検査で判明したアレルゲンを含む治療薬を舌下に付けることで、少しずつアレルゲンに対する耐性を獲得させていきます。現在、スギ花粉症とダニアレルギーに対して有効です。ダニアレルギーは1年通して発症する通年性のアレルギー性疾患のため、どの時期でも治療を開始できます。一方、スギ花粉症は花粉の飛散時期のみに発症する季節性のアレルギー性疾患のため、治療は花粉の飛散時期以外に開始する必要があります。一般的には、翌シーズンのスギ花粉を対策するには、11月頃までに治療を開始します。
また、気管支喘息も合併している場合は、まずは喘息の治療を行ってある程度発作を抑えられるようになってから舌下免疫療法を開始します。舌下免疫療法を併用することで、症状のコントロールもしやすくなるとされています。
特に、春は受験など重大なイベントが集中する時期です。そのため、お子様がアレルギー体質でお悩みの場合には、できるだけ早い段階で治療を開始することをおすすめしております。

舌下免疫療法は何歳から?

スギ花粉症とダニアレルギーに対する舌下免疫療法の対象は5歳以上のお子様です。舌下免疫療法は、注射のような痛みはなく、アナフィラキーショックを起こしにくいというメリットもあります。毎日薬剤を舌下に投与する必要はありますが、薬剤は口内で自然に溶けるため、お子様の負担もほとんどありません。

舌下免疫療法を
おすすめしたいお子様

舌下免疫療法は何歳から?
  • 鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどのアレルギー症状にお悩みの場合
  • アレルギー性鼻炎によって勉強やスポーツなどの日常生活に支障が出ている場合
  • 来年以降に受験を控えており、早いうちに症状を改善したい場合
  • 内服薬による眠気などの副作用を回避したい場合
  • アレルギー性鼻炎の点鼻薬や内服薬の効果が弱い場合
  • アレルギー性鼻炎の薬の数を減らしたい場合

舌下免疫療法の流れ

1問診

症状の程度や症状が現れる時期、現在使用中の薬の効果などを確認し、アレルギー性鼻炎を起こしているアレルゲンを推定します。

2アレルギー検査

アレルゲンを特定するためにアレルギー検査を実施します。当院では、血液検査でアレルゲンを特定します。アレルギー検査には5ml程度の採血による検査を行います。検査結果が出るまでには1週間ほどかかりますので、1週間後以降に再度受診していただきます。なお、すでにアレルギー検査を実施していて検査結果をお持ちの場合はアレルギー検査を行う必要はありませんので、すぐに治療を開始することが可能です。他院で行った場合は、検査結果のコピーをお持ちください(※直近1年以内)

3初回の服用

アレルギー検査にて、アレルゲンがスギ花粉またはダニと特定できた場合、治療を開始します。初めて舌下免疫療法を行う場合は、万が一副作用が出た時に対応できるようにするため、当院でアレルゲンを含むお薬を飲んでいただき、30分ほど待機していただきます。特に問題がない場合には、お薬を処方し、翌日からはご自宅で服用していただきます。

4ご自宅での服用

1日1回、舌の下にお薬を置き1分ほど経ってから飲み込みます。朝起きてすぐや寝る前でも構いません。お薬の吸収を妨げないようにするため、飲食やうがいは5分ほど空けてから行うようにしてください。また、服用の前後2時間は、汗をかくような運動や入浴は控えてください。血行が良くなり、副作用が出やすくなる可能性があります。

5お薬の増量

1〜2週間後、再度ご来院いただき、副作用や内服状況など確認し、アレルゲンの量を増量していきます。増量後も問題がなければ、月に1回程度の頻度で通院していただき、経過観察を行います。

舌下免疫療法のQ&A

効果を実感できるまでどれくらいかかりますか?

治療を開始してから2~3か月ほどでアレルギー症状が落ち着くケースもありますが、一般的には、十分な効果を得るには、3~5年は要すると言われています。まずは1年頑張りましょう。

舌下免疫療法の副作用はありますか?

以下のような副作用が起こる可能性があります。ただし、ほとんどの場合は症状が軽度で、30分以内に自然に治まります。また、これらの副作用が生じても、多くの場合は治療開始から1か月以内に治まっていきます。

  • 鼻水や鼻づまり、くしゃみが出る
  • 目や耳にかゆみが生じる
  • 口内や唇にかゆみや違和感、腫れが生じる
  • 咳がでる

など

ダニアレルギーとスギ花粉症を併発している場合でも治療はできますか?

治療を併用することは可能ですが、同時に開始することはできません。ダニアレルギーとスギ花粉症の両方を治療する際には、2種類の薬を服用する必要があります。そのため、まずは最初の薬を服用して状態が安定してから、2種類目の薬を開始します。当院では最低1か月程度間隔をあけてから2種類目の薬を開始します。なお、2種類の薬を併用する場合には、万が一副作用が現れた際にどちらの薬の副作用かを特定するため、最初のうちはそれぞれの服用時間をずらす必要があります。例えば、1種類目の薬を朝、2種類目の薬を夕に服用するようにしましょう。2種類ともに副作用が認められなければ、その後はずらす時間は5分程度でも問題ありません。

舌下免疫療法を途中でやめるとどうなりますか?

治療はいつでも中断することが可能ですが、一般的に舌下免疫療法による症状の改善には3~5年ほどかかりますので、可能な限り治療を継続した方が良いでしょう。ただし、副作用等の問題が生じた場合には速やかに治療を中断します。また、1日お薬の服用を忘れた場合は、その次に2錠服用するのではなく、1錠ずつの服薬で再開してください。

舌下免疫療法は保険適用ですか?

舌下免疫療法は保険適用範囲内で治療が可能です。おおよその自己負担額は、3割負担の場合で薬代を含めて3,000~4,000円ほどとなります。千葉県では18歳までがこどもの医療費助成制度の適応があり、その範囲でのご負担になります。