TOPへ

こどもの陰唇癒合
(いんしんゆごう)

こどもの陰唇癒合について

赤ちゃんのデリケートゾーン(女の子)陰唇癒合とは、左右の小陰唇が炎症や感染によって、くっついてしまった状態を言います。女の子の陰部は大陰唇や小陰唇、陰核、尿道口、腟口など複雑な構造をしているため、垢や分泌物、尿や便などが付着・蓄積してトラブルを起こしやすい傾向があります。特に赤ちゃんの場合はおむつかぶれが原因で炎症を起こし、陰唇癒合を起こしやすくなります。陰唇癒合になると腟口や尿道口が塞がれてしまうことで、膀胱炎や膣炎、排尿障害などの症状を引き起こす恐れがあります。後天的な疾患であり、一般的には、膣や子宮、卵巣などの機能的な異常はなく、癒合が解除されれば問題ありません。

こどもの陰唇癒合の原因

陰唇癒合の主な原因は、はっきりとわかっていませんが、外陰部の炎症や感染によるものとされています。

こどもの陰唇癒合の症状

陰唇癒合は初期の段階ではほとんど無症状のために軽視されがちですが、幼児期以降になると排尿障害などの症状が現れることがあります。また、症状が進行すると膀胱炎や膣炎などを引き起こす恐れがあります。そのため、お子様のおしっこの出方に違和感があるなど、気になる症状がある場合は、できるだけ早めに当院までご相談ください。

こどもの陰唇癒合の診断・検査

こどもの陰唇癒合の診断・検査診断では、陰部を観察して左右の小陰唇の癒着や膣口の閉鎖の有無を確認します。陰唇癒合はしっかり観察しないと分からないことが多く、毎日おむつ替えや一緒に入浴しているご家族の方でも気づかないケースが多く見られます。経験上、年齢が上がるほど、癒合は強くなる傾向があります。また、お子様の羞恥心も高まることから治療への抵抗も大きくなります。乳児健診でこんなところまでみるの?と心配されることもあるかもしれませんが、早期に発見するために陰部の観察は重要です。当院では3歳未満の健診では、必ず、陰唇癒合はチェックします。3歳以降になると記憶が残ったり、羞恥心も芽生えたりしてくるので健診での診察は行っていません。

こどもの陰唇癒合の治療

陰唇癒合の治療では、くっついている左右の小陰唇を剥がす処置を行います。2歳以下のお子様に対しては、癒合が軽微で当院の外来にて治療が可能です。治療自体は数分分程度で終了し、その後は再度小陰唇が癒着しないように軟膏を陰部に塗布します。軟膏塗布は1か月弱ほど継続します。治療後、自宅で再癒合のチェックをしていただきますが、再癒合に気づきにくいことも多いために2~3か月後に外来で再チェックします。

 

再発予防のためのケア

陰唇癒合の原因はまだはっきりとわかっていないため、予防方法も確立していませんが、外陰部の炎症が原因と考えられているため、外陰部を清潔に保つように心がけましょう。おむつはこまめに交換し、尿や便はきれいに拭き取ってあげることが大切です。特に、尿道口や膣口には便が付着しやすいため、入浴時には外陰部の割れ目を軽く広げてあげて温めのお湯で優しく洗うようにしましょう。

手術について

症状が重度の場合には、手術を行うこともあります。3歳未満の乳幼児は、癒合も軽微で羞恥心や記憶の問題もあまりないために外来で麻酔がなくても処置が可能です。3歳以降になると癒着が徐々に強固になり、外来での処置での剥離が難しくなり、精神的な面でも処置が困難になります。そのために年齢が上がり症状が進行すると手術の際に全身麻酔が必要になります。当院では、3歳未満の乳幼児は、健診で見つけると同時に外来で癒合の剥離を行いますが、手術が必要と判断した場合には連携する高度医療機関をご紹介いたします。