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小児外科、肛門科

小児外科、肛門科について

小児外科、肛門科について小児外科と聞くと手術をイメージされる方や、どんな症状を診てもらえるのか分かりにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。確かに手術や処置が必要な病気を扱う診療科ですが、当院では、日常生活で起こるケガに対する応急処置や縫合、経過の観察まで幅広く対応しています。また、クリニックで行える肛門周囲膿瘍や陰唇癒合のような簡単な外科的切開手術や切らないで治す外科的疾患(臍ヘルニアの圧迫治療や包茎の軟膏治療など)も可能です。さらに、漏斗胸や舌小帯短縮症など、より専門的な治療が必要な場合には、大学病院と連携しスムーズに紹介できる体制を整えています。さらに、舌小帯短縮症に関しては、2026年から専門外来を設けて、診断・評価と1歳未満の切開治療を行う予定です。お子様のことで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

 

小児外科、肛門科で
よくご相談いただく症状

  • 転んで頭や体をぶつけたあとが心配
  • 熱い飲み物やスープをこぼしてやけどしてしまった
  • 熱いなべを触ってやけどしてしまった
  • ハサミやカッターなどで指や手を切ってしまった
  • 飼っている犬や猫に噛まれたり、ひっかかれた
  • ハチ、ダニ、ムカデなどの虫に刺された
  • とげが刺さり取れない
  • 転んでできた擦り傷や切り傷が痛む、血が止まらない
  • ケガのあと、痛みや腫れがなかなか引かない
  • 排便の際に痛みや出血がある
  • 肛門周りが腫れている、膿が出ている
  • でべそが気になる
  • 足のつけ根が膨らんでいる
  • お腹が張る、腹痛を訴えている

など

小児外科、肛門科で
よくご相談いただく病気

切り傷、すり傷、熱傷(やけど)

切り傷、すり傷、熱傷(やけど)の場合は、受診前に直接お電話(047-402-3640)でご相談ください。

 

切り傷・すり傷などに関して

切り傷、すり傷、熱傷(やけど)当院では、軽い切り傷・すり傷から縫合が必要な切り傷・すり傷に至るまで、診療を行っております。ただし、一般診療の時間帯に縫合処置を行うことが難しいケースもあるため、その際にはいったん応急処置を施し、その後時間を設けて丁寧に縫合します。また、ご自宅でお子様が切り傷やすり傷を負った場合には、ご家族の方でも行えるケア方法もございますので、お気軽にご相談ください。創部が土・砂などで汚染された場合は、創部を水道水で洗って、出血はガーゼやタオルで圧迫してご来診ください(その場合、消毒は、傷を痛める場合があるので不要です)。その他、お子様の傷の状態などによって当院での対応が難しいと判断した場合には、連携する近隣の高度医療機関をご紹介いたします。

やけどに関して

軽度のやけど(浅くて範囲が広くない)であれば当院でも対応しております。お子様がご自宅でやけどを負った場合には、応急処置として患部を冷水や氷などで冷やしながらご来院ください。患部に水疱が生じている場合には、圧迫固定などの治療を行います。やけどが深いものや広範囲なものは、通常の外来治療では治りにくい場合もあります。その場合は、応急処置を行い、近隣の高度医療機関を紹介させていただきます。どの診療科を受診すれば良いか分からない場合には、まずはお電話(047-402-3640)にてお気軽にご相談ください。

臍ヘルニア(でべそ)

臍ヘルニアとは、一般的に「でべそ」と呼ばれ、赤ちゃんのおへそがポコッと飛び出している状態のことです。でべそは一般的に2歳ぐらいまでに9割前後が自然に治りますが、巨大な臍ヘルニアの場合は、治っても皮膚がのびて余った状態になりおへその形が悪くなってしまったり、2歳以降に手術が必要になったりすることもあります。

当院では、巨大臍ヘルニアに対して、「圧迫治療を」実施しています。圧迫療法は、臍ヘルニアの治癒率を上げて、治癒後の臍の形状の改善(正常に近い形状)が期待できます。特に、生後 6 か月未満のお子様には大変有効で、多くの場合1~3 か月以内に治ります。お家でもできる方はご家族の方へ圧迫の方法などを指導しています。圧迫療法は、皮膚炎の合併症が最も課題であり、その対処法も指導しています。

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肛門周囲膿瘍、乳児痔ろう

肛門周囲膿瘍、乳児痔ろう肛門周囲膿瘍とは、下痢やおむつかぶれがきっかけとなり、肛門の周りが赤く腫れて膿がたまる状態です。この膿が皮膚の表面に出てくる状態を「痔ろう」と呼びます。これは生後1か月から1歳頃までの男の子に多く見られる病気です。大人の痔ろうは、治りにくく手術が必要になりますが、赤ちゃんの痔ろうは適切なケアを行うと90%以上が2歳までに治癒します。治療は、切開による膿の排出になりますが、クリニックでの外来処置が可能です。また、自然治癒を促すには家での患部(おしり)のケアが大変重要です。当院では適切なおしりのケアの方法についても指導します。また、必要に応じて漢方薬を併用することもあります。適切な処置を続けることで、多くの場合は1〜2歳頃までに自然に治癒します。

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裂肛(切れ痔)

裂肛(切れ痔)裂肛とは、一般的に「切れ痔」と呼ばれている病気で、お子様のお尻から出血(便の周りに血がつく)があった場合は、ほとんどが切れ痔によるものです。「なぜ、こどもが痔に?」と思う方もいらっしゃると思いますが、多くの場合は便秘が原因となります。便秘が長期間続き肛門が頻回に切れると、その外側の肛門の周囲が突出して「見張りいぼ」と呼ばれる腫瘍ができ、これが下着等の接触や排便の際に擦れたり切れたりすることで出血を伴うこともあります。見張りいぼのほとんどが肛門の0時と6時(前後)にできます。見張りいぼが見られるお子さんは、肛門内が切れていると思われます。また、切れ痔により便を出す時に痛みがあると、便を出すのを我慢して便秘がひどくなり便が硬くなって肛門が切れるという悪循環になってしまいます。

切れ痔になってしまったら、切れ痔の治療と、便秘の治療を同時に行います。裂肛は乳児期の後期からみられることがありますが、食事が幼児食に移行したころから悪化したり、トイレトレーニングの時期に悪化したりすることがあります。当院では、トイレトレーニングから関わるなど、お子様一人ひとりに応じた排便管理をサポートし、裂肛と便秘を並行して治療していきます。

痔核(いぼ痔)

痔核とは、一般的に「いぼ痔」と呼ばれている病気です。こどもの痔核は大人と比べて少なく、ほとんどが肛門の外側の皮膚にできる「外痔核(がいじかく)」の腫れです。痛みやかゆみなどの症状がないことが多く、一般的に手術も必要ありません。

便に血が混ざる(下血)

お子さんの便に血が混ざる場合は、肛門周囲の出血(裂肛)が原因であることがほとんどです。大学病院での臨床経験から、過去に多くの便に血が混ざるお子さんを診療してきました。大人の場合は、痔でないときはがんを疑う必要がありますが、お子さんの場合は、がんであることはほとんどなくお子さん特有の疾患(腸管ポリープ・メッケル憩室・腸重積など)や消化管アレルギーで出血することがあります。また、稀に炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)などが原因になることがあります。腹痛・不機嫌な場合は、腸重積症など緊急的な対処が必要な疾患もあります。過去に多くの疾患の治療に携わっており、クリニックでの診断および治療が難しい疾患が疑われた場合は、対応が可能な小児専門の医療機関へ紹介させていただきます。

漏斗胸

漏斗胸(ろうときょう)とは、胸の前側(胸郭前面)が内側に凹んでいる状態を指します。1000人に1名程度の疾患で、程度の軽いものは治療の必要はありません。小児科領域では単なる形(整容性)の問題として認識されていることが多いのですが、凹みが深いと見た目の問題だけでなく、凹んだ胸骨が心臓などの内臓を圧迫し、様々な症状を引き起こすことがあります。また、漏斗胸で遺伝性や生まれつき凹んでいるものは少なく、ほとんどが幼児期から学童期に凹みが出現します。一部で凹みが進行し、凹みが深い場合は、成長に伴って運動量が増えることで、圧迫の影響により顕著になることもあります。漏斗胸は整容性に関する精神的な問題が注目されていましたが、成長とともに出現する心肺の圧迫症状が問題になることがあります。また、女の子の場合は、思春期の体系の変化で改善しないことも多く、形状によってはお胸の形に影響します。当院では、大学病院で2007年から2025年3月まで専門外来を担当し治療経験も豊富な院長が漏斗胸の変形に関するご相談にも対応しております。必要に応じて、手術が可能な専門の医療機関をご紹介いたしますので、気になる方はお気軽にご相談ください。

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舌小帯短縮症

舌小帯短縮症とは、舌の裏側にある膜様の組織(舌小帯)が舌の裏から歯茎まで伸びていることにより、舌の動きが制限される先天性の異常です。舌の動きが制限されることで、母乳やミルクをうまく飲めなかったり、うまく飲めないことでお母さんの乳首が傷つきやすく乳腺炎につながったり、といった問題があります。また、離乳食を噛まずに飲み込んだり(摂食障害)、舌先を使う「サ行」・「ラ行」・「タ行」の発音がはっきりしなかったり(構音障害)、することもあります。舌の先端がハート型のように見えるのも特徴の一つです。

1歳未満のお子様であれば、当院の外来での手術が可能なケースもあります。1歳以上のお子様で治療が必要と判断された場合は、全身麻酔による舌小帯の切離手術が安全で有効であり、治療経験の豊富な連携する専門の医療機関をご紹介いたします。また、2026年1月から大学病院と連携し、舌小帯の専門外来を開始する予定です。診断と手術の必要性の判断などを行いますが、1歳未満では当院での手術も可能になります。初回は院長の外来で対応します。気になるご家族の方は、まずはお電話(047-402-3640)にてお気軽にご相談ください。