こどもの耳と鼻の病気について
お子様の身体は発達途上であるため、大人に比べて耳管が短く水平に近い、鼻腔が狭いなどの特徴によって鼻や耳にトラブルが起きやすい傾向があります。特に幼児期のお子様は自身の身体の異変や不調を上手に言葉で訴えることが難しいため、周囲の大人がお子様の状態を観察しておくことが大切です。当院では、お子様の様々な耳や鼻のトラブルに随時対応しております。また、当院では花粉症やダニ・ハウスダストなどのアレルギー症状の診断や治療も行っております。アレルギーの治療においては、近年普及しつつある舌下免疫療法を実施することも可能です。治療薬が不足し実施が滞っておりましたが、2025年6月から再開しています。お子様に何か気になる点がございましたら、どのような些細なことでも結構ですので、お気軽にご相談ください。
お子様の耳と鼻の症状
- 鼻水、鼻づまり
- 鼻血
- くしゃみ
- 耳の痛み
- のどの痛み
- 目のかゆみ
など
こどもの耳と鼻の病気
アレルギー性鼻炎(花粉症)
アレルギー性鼻炎とは、スギ花粉やダニ・ハウスダストなどのアレルゲンが鼻の中に侵入して粘膜を刺激することで、鼻水や鼻詰まり、かゆみなどの症状を伴うアレルギー性の疾患です。症状は風邪と似ていますが、鼻水や鼻詰まりとともに目や鼻のかゆみが出たり、天気の良い日や風の強い日に症状が悪化したり、ほこりの多い部屋で症状が悪化したりしている場合は、アレルギー性鼻炎が疑われます。最近の研究ではアレルギー性鼻炎が喘息に先行して小児期の早期から発症し、後の喘息発症や気道過敏性の危険因子となることが報告されています。一度罹患すると自然寛解しにくいため乳幼児期から適切に介入する必要性があります。原因となるアレルゲンを回避・除去することが最も基本的で有効な予防対策になります。主な治療は、吸引・吸入療法によって鼻粘膜の状態を改善させる方法の他、症状を抑えるための薬物療法、アレルギー体質そのものを改善させる効果が期待できる舌下免疫療法などが挙げられます。
急性扁桃炎
急性扁桃炎とは、扁桃腺に細菌やウイルスが感染することで発熱やのどの痛み、耳の痛みなどの症状を引き起こす感染症です。小児ではウイルス性が40~70%と多く、細菌性で最も多いのは、A型溶血連鎖球菌(溶連菌)です。その他の症状は、口蓋扁桃が赤く腫れる、化膿する、表面に白い膜ができるなどを引き起こすこともあります。口を開ける時に激痛を伴うなどの症状が現れている場合には急性扁桃炎が疑われます。また、急性扁桃炎は放置すると扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍を引き起こす恐れがあるため、できるだけ早く医療機関を受診するようにしましょう。治療は、細菌感染が原因の場合には抗生物質の投与を行います。その他では、鎮痛剤や消炎剤、うがい薬などの薬物療法の他、局所的な消毒、ネブライザーなどを行うこともあります(当院では局所の治療は行っていません)。
鼻出血(鼻血)
お子様の鼻の粘膜は大人に比べて繊細なため、鼻をかむ、つまむなどのちょっとした刺激でも鼻血が出やすい傾向があります。また、風邪やアレルギー性疾患でも鼻の粘膜が腫れて鼻血を助長することがあります。鼻血が出た際の対処法としては、鼻を軽くつまんで10分程度軽くうつむいた状態を維持しましょう。ほとんどの場合はこの処置で鼻血は止まりますが、止まらない場合には専門の医療機関を受診してください。
急性中耳炎
急性中耳炎とは、鼓膜の内側に位置する中耳という部位に細菌やウイルスが感染して炎症を起こす疾患です。お子様の中耳炎の多くは、風邪やアレルギー性疾患などによって鼻やのどが腫れを起こして鼻と中耳を結ぶ管を塞ぎ、そこに細菌・ウイルス感染を引き起こして発症します。
急性中耳炎の主な症状は、発熱や耳の痛み、耳垂れ、耳の詰まり感などが挙げられます。乳児が急性中耳炎を発症した場合には言葉で症状を訴えることができないため、頻繁に耳に手を当てたり、耳を引っ張ったり、頭を振ったり、機嫌が悪くなる場合があります。そのため、このような動作が続く場合はできるだけ早く当院までご相談ください。